



1978年、国際クラフト会議が京都で
開催される。そのイベントの一つ日本
クラフトコンペ京都に合板による箱もの
と椅子を融合させ、和のイメージを取り
入れた「重ね箱」を発表、その後シリー
ズ化する。




1985年〜1992年
重ね箱
ザグ
床子
1986年〜1990年
ベンチシリーズについて






1987年〜1995年
ヒノキノイスについて
いつもの、買い付けの材木屋の片隅に、台湾檜の塊を見つけたのが、「ザ
・ベンチ」を作る最初のきっかけであった。もちろんその時点で、この形のベ
ンチを発想するなんていうことは、これっぽっちも考えていなかったのである。
(中略)5年間、檜の塊とにらめっこをしていたことになる。その塊は現在、正
確な寸法は記録していないが、たしかW210×T150×L3000、W240×T150×
L2000、の2本からなる檜であった。(中略)私は以前から日本の美に興味を
いだき、どうしたらヨーロッパ、アメリカナイズされずに、その日本の美を現代
生活の中に生き返らせることができるのか、疑問と悩みをかかえて飛鳥・奈
良・京都・出雲を旅したり、その種の本を読みあさったりしたことがある。そう
いったプロセスで私なりにわかったのは、日本人は、質素、倹約を旨としてき
た民族であり、シンプルな日本の美も木を大切に使う心の現れで、木割の合
理性もそこから生まれたのではないかと思ったのである。そこで、尺寸の30
ミリを単位としたモデュールを考え、できるだけそれに近い寸法を使うことに
を一つの方法としてきたが、このベンチの特徴もそこにあるとも言える。厚さ
はすべて30ミリ、幅は60ミリ・150ミリの部材からできているのである。
(家具・木工通信 no6 1989年より)
周知のように、我が国は木の国と言われている。それはたぶんに、檜、杉
に代表される針葉樹を中心にした言葉だと解釈すべきである。そういった意
味で、日本のイメージを出すには、檜か杉を使いこなすことが大切である。
杉はあまりに柔らか過ぎて、どう考えても椅子などの家具材には不向きで、
せめて檜のかたさは欲しい。(中略)現代生活にマッチした檜を使用した家具
を考えることが、現在も私のテーマである。下手すると、すぐに和風の「やぼ
ったさ」になってしまうし、北欧のデーニッシュスタイルではおもしろくない。一
昨年、一つの試みとして、提案したのが写真の「ヒノキノイス」である。田舎の
民家でもよし、都会のマンションでもよし、あるいは別荘の庭でもよし、いろん
な所で使われ、どこにでもある様な、平凡でめだたないが存在感があり、そ
こに置かれた椅子が丈夫で長持ちしそうな、一見、不細工であるが、よく見る
と美しく、スマートである様な、そんな椅子を想定して考えたつもりである。
(家具・木工通信 no6 1989年より)
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